(注)12、立場跡(たてばあと)  「新居町  史跡めぐり」P7
 江戸時代東海道その他の街道で、宿場と宿場の間で、人足や駕篭かき又馬などが荷をおろして休憩したり、あるいは馬や駕篭の交代なども行ったところである。
 地方によっては方言で馬をつなぐ場所、あるいは道ばたにある休憩所を立場ともいい、あるいは「くず屋」などがその日に買い求めたくず物を売り渡す市場や問屋を立場といっている所もある。
 大倉戸の加藤準次郎さんの家は、江戸時代から立場として旅行く人の休み場として親しまれ、街道に沿った樹々は旅人の疲れを癒す格好の木陰であった。 
 家の前の一段低い所には掘抜き井戸があって、こんこんと湧き出ていた。明治以降は馬車や人力車の発着所となっていた。加藤さんの家には今も残っている茶釜で、この水を沸かし多くの旅人の喉の渇きと疲れを癒すためにどんなに役立ったことであろう。旅人の安心した顔が映るようである。