(注)五升庵蝶夢(ごしょうあんちょうむ)
   京都阿弥陀寺の住職。芭蕉の伝記・遺稿の編集に生涯をかけた。天明8年(1788)4月16日、弟子の木姿と共に、江戸に出、25日浜松宿の蓮華寺住職鳥居柳也を訪ねている。蝶夢の揮毫になる芭蕉の句「八九間そらで雨降る柳かな」 を柳也が石に刻み、蓮華寺に建てたのはこの時のことと思われる。
   蝶夢は三度浜松を訪れ、多くの人を指導し師として尊敬された。中でも入野の竹村方壺は最も敬慕し、寛政2年(1790)蝶夢の句「村松やみとりたつ中に不二の山」を碑に刻んで臨江寺(浜松市入野町)の裏山に建てた。