(注)宿村大概帳
  江戸幕府が管轄する街道の各宿駅と沿道の概況を記した帳簿。1843年(天保14年)以降成立。道中奉行所の作成と思われ、五街道(東海道・中山道・日光道中・奥州道中・甲州道中)とこれに付属する脇街道(佐や路・美濃路・壬生路・例幣使街道・日光御成道・本坂通・山崎通・水戸佐倉道)について、宿場の規模・本陣・脇本陣・問屋場・主要寺社・街道筋の「間=あい の村々」往還掃除丁場・道幅・端・並木・一里塚。特に各宿の記載の最後には、その宿場や次の宿場までの「間の村々」の特殊事項を記載。53冊が収蔵されている。天保・安政年間(1840〜50)に調査されたものと思われるが、その成立年代は不明。五街道の全宿駅を調査した記録として現存するのは「宿村大概帳」のみで、近世史研究に欠かせない貴重な料である。