（注）浜松八幡宮由緒　　　現地説明板 　　　祭神　　玉依比売命　たまよりひめのみこと 　　　　　　　品陀和気尊　ほんだわけのみこと 　　　　　　　息長足姫命　おきながたらしひめのみこと 　　　　　　　伊弉諾尊　　いざなぎのみこと 　　　　　　　伊弉冉尊　　いざなみのみこと 　八幡宮の御祭神は品陀和気命（応神天皇）息長足姫命（神宮皇后）であって、石清水八幡宮は、中御前の応神天皇をはさんで、東・西御前にそれぞれ神宮皇后像三神をお祀りしてあります。 　当社でも馬込町に在って白山神社の祭神である伊弉諾尊・伊弉冉尊と下垂(しもたれ)に祀られていた玉依比売命を本殿に遷し祀ってあります。７４９年（天平２１）に聖武天皇は大仏鋳造に神の援助を仰ぐため、宇佐八幡宮（大分県宇佐市に鎮座）より、八幡宮を迎えられ、更に８５９年清和天皇の貞観元年（８５９）に僧行教により、同じく応神天皇時代、有力帰化人による文物伝来の伝承を、史実として回顧した当時の人々の心情によって、単なる産土神や氏神でなく「国家の祖廟」「鎮護国家」の神として、伊勢の皇大神宮に次ぐ崇拝を受けるに至りました。伊弉諾尊・伊弉冉尊の二尊は、神話では「國生みの神」玉依比売命は、神武天皇の生母として語られ、民俗信仰上祖先神として敬われた神々であります。源義家が男山八幡宮（石清水八幡宮）神前で、元服したという伝承によって、武家の棟梁源氏の氏神となったことから、八幡信仰は中世以降更に大きな地歩を固めました。 　この過程に於いて、極めて自然に神仏習合の信仰が浸透して「八幡大菩薩」の称号も生まれました。 　　　　　　　　社伝及び郷土史研究に基づく由緒 　社伝によれば、仁徳天皇（記紀に記された５世紀前半の天皇。応神天皇の第四子）遠津淡海の海運安穏のため、海神玉依比売命を現・小沢渡の許部の里にお迎えしたとあります。この許部神社は「延喜式」の敷智郡六座の神の中に登録され、極めて由緒ある神社であります。その後、９３８年朱雀天皇（９２３〜５２在位９３０〜４６）天慶元年（９３８）に神託によって、当地に遷されました。その節白狐が老翁の姿となって「浜の松」を移し植え「浜松」の地名に成ったとも伝えられております。この翌年平将門（？〜９４０）が常陸（現茨城県の大部分）で、翌々年藤原純友（？〜９４０）が伊予（現愛媛県）で反乱を起こしたため石清水八幡宮の神霊に頼る信仰が盛んになった頃でありました。 　　　　　武家の信仰 　１０５１年後冷泉天皇、治承六年八幡太郎義家が陸奥に出陣の際、当社に参籠し源氏の氏神である八幡社を喜び武運を祈って 　　　契りあらば　帰り来るまで石清水 　　　　　　　かけてぞ　いはふ浜松の里 と詠進し武運を祈り社前の楠の下に旗を立てたと伝えられ「御旗楠」呼んでおりました。これが現存する「雲立の楠」の起源であります。１５７０年正親町天皇元亀元年６月、徳川家康が岡崎より濱松へ入城した時、源義家の東征祈願の由緒があり、更に鬼門鎮守の氏神として信仰厚く、１５８６年駿府に移るまで、当社を祈願所として、数度社参して武運長久を祈ったと伝えられています。更に１５７２年元亀３年１２月三方原合戦に敗れた家康は、天林寺に入り義俊和尚が案内して、府八幡宮に逃れ義家ゆかりの「楠」の洞穴に潜み、楠の上に瑞雲立ちのぼり祥雲が白馬に跨り、浜松城方面へ飛び立ちました。 　家康は八幡宮の加護により、「戦いわれに利あるべし」と勇躍城に帰り、犀ヶ崖に布の懸橋を渡して、武田信玄の入城を防ぐことができました。有名な坂井忠次の陣太鼓の武勇伝もこの時のことであります。 　これにより、家康開運の社前の楠（「御旗楠」）を「雲立楠」と呼ぶようにいた りました。これらの伝承は、古老・郷土史家の伝える諸説であります。その後も家康は、代々当社を祈願所として、旗・神馬を奉納致しました。豊臣秀吉は北条氏征討の資金調達するため、神領を没収し、寺島八幡の社であった現在の寺島町・旭町付近のみを八幡地として残しました。 　１６０３年家康は、征夷大将軍に任ぜられ、歴世社領５０石の朱印を与えましたが、明治新政権により上地とされ、同年郷社に列しました 　　　　　　　八幡宮に合祀された諸社 　明治末年祠官金銅伊織氏上申による静岡県庁社寺課の認可によれば 相殿　　天之御柱命　　　國之御柱命 　　　　　神倭伊波礼毘古（神武天皇） 　　　　　大気都比売命　　伊佐波登美命 　　　　　神直日神　　　　大直日神 　　　　　猿田彦神　　　　蛭児神 　とあり、この神々は現在境内末社、濱松稲荷神社に祀ってあります。又東照宮も一宇。氏子８７０戸とあり、この神祠は同じ 明治４４年２月６日　　下垂　無格社　　池神社合祀の許可 　　仝　　５月８日　　野口　無格社　　颯々神社合祀 昭和４年８月１３日　　早馬町　　　　　浜松稲荷神社合祀の許可されております。 昭和年月日不明　　　　馬込町白山神社合祀